「無病息災 あつ~い願い 金沢・高源院で恒例行事『一ツ灸』」という記事が中日新聞のサイトに掲載されています。(中日新聞)
7月1日に、金沢市宝町の曹洞宗高源院で、伝統の「一ツ灸(ひとつきゅう)」が行われました。
膝の部分のお灸をするという行事ですね。毎年夏に、無病息災を願って行われています。
高源院の「一ツ灸」は、そのルーツは300年ほど前に遡るそうですね。
富山県氷見(ひみ)市にある曹洞宗・東泉寺御開山(とうせんじごかいさん)の住職が、中風(脳血管障害による麻痺などの病気)にかかり、苦しんでいる時に見た夢に由来するといわれています。
この記事の中では次のように書かれています。一部引用させていただきます。
行事は、東泉寺(富山県氷見市)の住職が夢で仏に「三年続けてきゅうを据えれば、どんな病も救われる」と告げられた伝説に由来する。
この「一ツ灸」では、膝の「膝眼(しつがん)」というツボにお灸をします。
場所は、膝のお皿のすぐ下の外側ですね。
鍼灸学校の経絡経穴の教科書では、「犢鼻(とくび)」という部分ですね。
以前は「外膝眼(がいしつがん)」といわれたりしました。
この部分を「三里」と呼ぶいいつたえもあるそうですが、実際の「足三里(あしさんり)」というツボはさらに下にあります。
伝統的に行われているこの「一ツ灸」では、比較的熱いお灸のようですね。
実際には、お灸は熱ければ熱いほど効く、というわけでもありませんので、最近はよりソフトな刺激の温熱灸も取り入れられているそうです。
紙を敷いてお灸の熱を軽減するんですね。
お灸を使った伝統的な行事は、「鍼灸net」でも取り上げてきました。こちらもご参照ください。
⇒ 病気の予防にお灸「ひとつやいと」富山県高岡市「瑞龍寺」で
また、お灸が海外で活用されるケースもいくつかご紹介させていただきました。こちらもご覧ください。
鍼灸が盛んになりつつあるアメリカなどでは、比較的、お灸よりも鍼治療の話題が多いです。
今後は、お灸についても注目される機会があるかもしれませんね。